2008年09月05日

 Sep 08 Newsletter: パンゲアリング ソフィア・ユーンさん

今月は、韓国ミジセンターの多文化共生プログラムチーム のリーダーであり、パンゲアアクティビティではファシリテーターリーダーを 務めてくださっているソフィア・ユーンさんです。



 「他者を知り理解すること」は「自分自身の“我“-エゴを知り、理解する こと」でもある--個人的なバックグラウンドや経験から私はそう考えるよう になりました。私は韓国人ですが長年ヨーロッパ文化を研究してきた結果、皮 肉に聞こえるかもしれませんが、自然と自分自身を含め自国のことを知りたい と思うようになったのです。
 ですから、国際理解のためのプログラムは、世界中に友達を作りながらお互 いの違いを知り尊重することを若者に学ばせるだけでなく、彼ら自身のことを より深く知ることが出来るものでもあると常々感じています。

 ミジセンター(ソウル青少年国際交流センター)はユネスコの韓国支部によ って運営されており、2006年以降パンゲアプロジェクトの韓国におけるパート ナーとして活動しています。
 韓国におけるパンゲアプロジェクトは、ウェブカメラを使っての様々なゲー ムをはじめ、オーストリアや日本そしてケニアから言葉や物理的な距離や時差 を越えて参加しているパンゲアの仲間達と「パンゲアネット」でのピクトン通 信などを通して、韓国のこども達に国際異文化コミュニケーションの場を提供 しており、スタッフとしてその価値は計り知れないと確信しています。  それ以上に、ともすれば『自分自身と向き合う』というよりも、学校でよい 成績をとることを重要視しがちな韓国のこども達にとって、パンゲアで『描く』 というクリエイティブで表現的な活動をすることを通して『自分自身を見つめ て』いるのを目の当たりに出来ることは私にとってとても意味深いことと感じ ています。
 またアクティビティで重要な役割を担っているボランティアのファシリテー ター達から「こども達と時間を過ごしプロジェクトを実行していく中で、一歩 一歩自分自身の成長も経験している」とポジティブな意見があることも重要な ポイントだと思います。私自身も、パンゲアの現場で韓国のこども達、ファシ リテーター、スタッフの皆さんの物の見方を知ることを通して自分自身を見つ めることができ、いつもよい勉強をさせていただいています。

 結局のところパンゲアは韓国のこども達だけでなく、このプロジェクトに関 わる全ての人たちが、ゆっくりでも確実に、成長する機会を与えているのだと 思います。
 そういった点で、パンゲアは私たちが自分自身を映し出す鏡のようなものと 言えるのではないでしょうか。そして私は、その鏡は他者-同じ地球に住んで いてもお互いよく知らない、分からない人達-の姿を映し出すと同時に、私達 自身をより正しく深く知り、理解することができるものであると信じています。

韓国ユネスコ ミジセンター(青少年国際交流センター)
多文化共生プログラム・リーダー
ソフィア・ユーン

投稿者 kumakinoko | 3. ニュースレター , 4. パンゲアリング