2011年05月29日

 5月の京都パンゲアアクティビティ

昨日京都大学でパンゲアアクティビティが行われました。

パンゲア本部のある京都の活動拠点、「京大村」では今年は参加者のこどもたちがこれまでより一層、他の拠点とのつながりを感じることのできる活動を実施しようとファシリテーターリーダー (FL) のかばちゃんが中心となって活動内容を計画・実施しています。

discussion.jpg 昨日はまず世界に京都を発信してアピールしよう!ということで、パンゲアネット上の「京大村」を新しく作り変える活動をしました。最初に世界の他の村がどんな絵を描いているかをみんなで見て、マレーシアでは南国のフルーツが描かれていたり、三重では伊勢エビをつかったハンバーガーが描かれていることから、その地域ならではの特徴を生かして描くとよいことが分かりました。

それから皆で「京都といえば、何を書く?」とアイデアをだし、その中から各自自分の描きたいものを言って分担を決めました。「友禅」、「舞妓さん」、「清水寺」、「京野菜」、「やつはし」など京都らしいアイデアが次々に出てきました。

kyodai_village.jpg

絵を描いて、色を塗って切り抜いた後、みんなの絵を描いた絵を集めて全体のレイアウトを話し合って決めました。小学校6年生のきょんちゃんが中心になって、みんなの描いた小さなたくさんの絵を丁寧にのりではって完成させてくれました。

webcam.jpg 他には今年度初回のアクティビティを行った東京のOK村とウェブカメラでつないだ交流、「webcam」も行いました。自己紹介のあと、「京都弁ってどんなの?」、「流行っている歌はなに?」、「流行っているゲームは?」とお互いに聞きたいことを質問しあいました。京都のこどもたちは、この春京都で大学を卒業し、東京で就職したボランティアのガッツやよしおともウェブカメラを通して再会することもできました。

参加したこどもたちは皆、アクティビティをとても楽しい!と感じてくれたようです。

活動後、大学生が中心の京都のボランティアでスタッフミーティングを行ったところ、ウェブカメラでの活動を行ったことで、こどもたちがパンゲアネットで他の拠点の子にメッセージを送ることに興味を持ち、実際たくさんのメッセージを送るようになった、こどもたちにちゃんと教えられるように自分もパンゲアネットの機能を知りたい、また京大村の作成のようなグループアクティビティを今後も継続してやりたい、といった声が出ました。今後の活動をより充実したものにしたいと、みんな意欲的です。

京大村とウェブカメラでつながった東京のOK村でもこどもたちも、京都の子と交流できて楽しい時をすごしたようです。震災の影響で3月、4月は東京の活動を見合わせていましたが、今月からようやく今年度の活動を開始することができました。 tokyo.jpg

投稿者 ayako | 1. アクティビティー報告 | 固定リンク

2011年05月27日

 パンゲアがベトナムでアカデミックワークショップを行いました

ymcws-groupphoto.jpg5月18日(水)に、NHK BS1 「ワールドwaveトゥナイト」でも放映されたパンゲアのベトナム農業プロジェクトについて、今後ベトナムの農村開発を一層推進してゆくため、ベトナムの農水省にあたるMARD (Ministry of Agriculture and Rural Development) 及びベトナム国立大学(Vietnam National University) と共催で、ベトナムで初回アカデミックワークショップを、2011年5月20日~22日にホーチミン市のベトナム国立大学にて開催しました。

newspaper.jpgこのワークショップは、ベトナム・日本間で情報学・農学・教育の研究者が国際的・学際的なアカデミック・グループを発足し、2011年の2月から3月にかけてベトナムのヴィンロン省トラオン地域行われた児童を介した農業支援モデルの実証実験である、「YMC-Viet プロジェクト」の結果を確認し、またこのモデルを利用して今後さらにベトナム農村地域の発展に寄与する話し合いを行う目的で開催され、日本からは京都大学・東京大学・三重大学の研究者などが参加しました。

今回のアカデミックワークショップは、ベトナムのテレビや新聞で報道されました。
ベトナムの新聞、「Thanh Nien」の掲載記事はこちらをご覧ください。
グーグルによる英語翻訳記事はこちら
また、YMC Workshopによるプレスリリース(英語)はこちらからご覧ください。

ワークショップの2日目と3日目には実証実験の行われたヴィンロン省トラオン地域を訪れました。 今回の実証実験では、現地のこどもたちは携帯電話やインターネットを利用した温度や湿度、稲の高さなどのデータを決められた頻度できちんと日本の専門家に報告してくれました。稲の高さなどをセンサーなどではかることは技術的に難しいため、こどもたちによるデータ収集には日本の専門家も期待を寄せています。

IMG_04391-300x225.jpgまたインターネット上で行う稲作に関するクイズである「米検定」では、参加している30人全員が最高ランクをクリアして表彰されるなど、こどもたちはプロジェクトを楽しみ、熱心に参加してくれた様子をうかがうことができました。

今回の実証実験のみでベトナムの稲作の収量や品質向上があったかどうかを判断することはまだ時期尚早な段階ではありますが、実証実験後の収穫は豊作であったそうで何よりです。

IMG_0434-e1298041573689.jpg また今回の実証実験では、こどもたちが楽しんで携帯電話やコンピューターの操作を行い、農業に興味を持つようになり、その両親であるベトナム農家はこどもたちから有益な情報を得られるようになり、またこどもたちが農業に興味を持つようになったことで、家族の会話が増えて親子関係が良くなったとの結果はインタビューで確認されており、現地ではプロジェクト継続への期待が高まっています。

投稿者 ayako | 5. メディア掲載 | 固定リンク

2011年05月17日

 パンゲアニュースレター 2011年5月臨時号

パンゲアのベトナム農業支援プロジェクトがニュースで放映されます!
パンゲアが今年2月~3月にベトナムで行った農業支援プロジェクト「YMC-Viet」が
5月18日(水)NHK BS1 「ワールドwaveトゥナイト」
午後10:00~10:50 番組サイト: http://www.nhk.or.jp/worldwave/
で放送されますのでぜひご覧ください。なお、詳しい放送時間は未定です。またこのニュースの放送日は変更となる場合がございますことをご了承ください。

IMG_0118-300x225.jpg YMC-Viet プロジェクトとは
YMC-Vietとは「ベトナムにおける児童を介した農業支援モデルの実証実験」のことで、大人の識字率の低いベトナムの農村地域において、識字率の高いこどもたちが、携帯電話やインターネット、機械翻訳などを含む、YMC (Youth Mediated Communication) システムを利用して日本の農業専門家と親世代の農業従事者のコミュニケーションを仲介し、ベトナムの農村地域で生産性向上に役立つ仕組みを実現しようという試みです。

パンゲアはYMCモデルの主唱者として、本プロジェクトにてYMCシステムの開発と提供を行いました。ベトナムのこどもたちが遊び、楽しみながら両親と農業専門家の間に立ってコミュニケーションを仲介できるよう、インターネット上でできるクイズ「米検定」や、こども同士のメッセージ交換のしくみを含むシステムを実現しました。

実証実験後に行われた調査では、参加したベトナム農家の大人96%から「こどもから有益な情報が得られた」と回答しています。また100%のこどもたちが「農業への興味が増した」、「PCや携帯電話を使うことが楽しい」、「継続してYMCに参加したい」と答えており、こどもたちの農業への興味が増したことで、家庭での会話が増え、親子関係が良くなったとの結果を得ています。

投稿者 ayako | 3. ニュースレター | 固定リンク

2011年05月12日

  2011年度パンゲアボランティア募集ポスター

ポスターの画像をクリックするとPDFファイル(A4)をダウンロードできます。

Volunteer-Poster-Tokyo-Jap.jpg

投稿者 ayako | 8. 一般 | 固定リンク

 2011年度パンゲアボランティア募集チラシ

チラシの画像をクリックするとPDFファイル(A4)をダウンロードできます。

Volunteer-Flyer-Tokyo-Jap.jpg

投稿者 ayako | 8. 一般 | 固定リンク

2011年05月01日

 2011年5月 Newsletter: パンゲア公式Twitterとfacebookページを開始しました!

ツイッターは「npo_pangaea」、facebookは「NPO Pangaea」で検索してください。 京都大学や京都インターナショナルスクールのアクティビティなどについて リアルタイムで発信していますので、ぜひご覧ください。

投稿者 ayako | 3. ニュースレター | 固定リンク

 2011年5月 Newsletter: 理事長便り 森 由美子

みなさん、こんにちは。
東京で恵比寿で始まるOKWaveパンゲアの活動は5月第4週からになりました。 この機会に安全管理体制を強化し、安全を心がけてボランティアの方々や 参加者をサポートするため本部では安全管理マニュアルを改訂中です。

京都では昨年度ファシリテータとして参加してくれていたかばちゃんが ファシリテータ・リーダー(FL)講習を受講し、今月すばらしいアジェンダを 自分で作成し、みんなをリードしながらFLデビューしました。 京大医学部4年生のかばちゃんですが、花粉症なのに気合い充分で、 他のボランティアさんからも工夫されたメニュの構成に拍手があがりました。

新しく参加した児童の中には上のお兄さんが二人ともパンゲアに 参加していたときまだ小学校入学前で、お迎えの際、お母さんと一緒に きていたこともある女の子。そしてまんなかのお兄ちゃんも久しぶりの 参加でしたが、その成長ぶりに、私もとしも自分の年を感ぜずにはおれず。。

パンゲアの中には同じ拠点でも同じ年でもいろんな子がいますが、 今回新学期でタコ紹介したら、それが子供達にも新たな発見だったようです。

京大村と京都インターナショナルスクール(KIS村)両方とも東京の子供たちが 2ヶ月参加できていないので応援メッセージを書きました。 また多くの子供達が絵文字メッセージを送っていました。

先月まで何年にも渡り事務局をつとめてくれたはなぷうが退職しました。 そして新しく事務局には二人の方がはいってくれました。 ひとりはひややっこことアヤコさん。 これまでCitibankなどすごい会社に勤務をしていた女性が、 PR/Communicationディレクターとしてパンゲア本部に入りました。 きっとこれまで大きな会社にいたので、毎日が驚きや戸惑い、 でも喜びも感じてもらっているようで、これまでの本部ではめずらしく ジョギングとかする元気なひとでとても頼りになります。 そして伊達ちゃんは、たんぽぽみたいな女性。 まだ引継ぎなどでばたばたはしておりますが、 きっといいチームになれそうな予感。

そういえば、ソウルへも今月出張しておりました。 MizyセンターのSophiaが名門ソウル大学の博士課程に進むことになり、 新しいパンゲア担当の方にお会いし、F講習会をしてきました。 10名以上の受講者です。パンゲアの人気はすざまじく、 倍率2倍以上。Sophiaは講習やWebcamの時には参加してくれるそうです。

今月のパンゲアリングはNinoこと東京大学大学院生態調和農学機構の 二宮先生です。ベトナムのプロジェクトを一緒にやってくださっただけではなく、 実はパンゲアのWebcamや京大村の活動にも見学に来てくださっています。

投稿者 ayako | 3. ニュースレター | 固定リンク

 2011年5月 Newsletter: パンゲアリング 「YMC Vietに参加して」 二宮 正士さん

YMC Vietプロジェクトに参加しました. 農家の子供を介して非識字の親に,農業技術を的確に伝達するというコンセプト (YMC=Youth Mediated Communication)にとても惹かれるとともに, 果たしてその大胆な発想がきちんと機能するのかとても興味がありました.

われわれ農業関係の研究者にとって,研究成果としての技術を現場に普及させ, 農民の役に立てることは大きな目標であり夢です. しかし,実際には容易ではありません.とくに,海外では言葉の壁や, そもそも農民が非識字で情報を記述して正確に伝えにくいという 大きな問題がありました.

今回のプロジェクトには,いくつかの注目ポイントがあります. もちろん,ベースは学校に通い字も読める子供たちを使って, その非識字の親に情報伝達しようという試みですが, それに加え画期的取り組みがなされました.ひとつは言語グリッドという 多言語環境を使って言葉の壁を乗り越え日本の農業専門家がベトナムの農民に 情報伝達すること,もうひとつは,子供たちをセンサー代わりにして, 気温や湿度といった気象データ,イネの草丈や葉の色など生育状況を経時的に 観察記録させ,的確な農業指導のための情報とすることです.

一連のしくみを動かすには,パンゲアがこれまで培ってきた 魅力的なアナログ・デジタル融合により,子供たちを巧みに誘導し, 新しいものに柔軟な能力を引き出す技術の存在が非常に大きいと思いました.

これにより子供たちはパソコンや携帯電話を使いこなし, 現在のICT(情報通信技術)の制約を乗り越えて子供たちと大人, 日本語とベトナム語の間をスムーズに結びつけることに成功しています.

まだ,真の結果が分かるのはこれからですし, いくつもの解決すべき課題も浮かび上がっていますが, 今後の展開が非常に楽しみな取り組みで,大いに期待しています.

二宮 正士 東京大学大学院生態調和農学機構

投稿者 ayako | 4. パンゲアリング | 固定リンク