2008年01月11日

 多言語コラボレーションツール研究会に参加しました!

今日は言語グリッドアソシエーションの 多言語コラボレーションツール研究会 に参加しました。この会合は、言語グリッド技術を応用してソフトウェアを作ったりホームページで活用したりするため、主に技術開発をしている学生や研究者などが集まって、開発中のプロジェクトについて発表して知見を共有したり議論したりする研究会で、今回が第1回目。電子情報通信学会異文化コラボレーション研究会(SIGIC)も共催しています。


この研究会で、昨年の後半に立ち上げたパンゲアのファシリテータースタッフのオンラインコミュニティであるパンゲア多言語コミュニティサイトについてや機械翻訳チャット機能つきWebcamシステムについて発表しました。両方とも言語グリッドを使って自動的に機械翻訳をすることで言葉を乗り越えてコミュニケーションできるツールです。

他の発表では、SNS(ソーシャルネットワークサービス)や3次元仮想空間のセカンドライフなど様々なオンラインサービスと言語グリッドを組み合わせたツール、病院などの医療現場での多言語案内ツール、海外からの子供達が多く在籍している川崎市の中学校を支援する多言語翻訳システム例などの発表がありました。その中でも個人的に興味深かったのが、関西学院大学大学院理工学研究科の岸田さんが発表していた「協調型機械翻訳システムのためのガイド入力インタフェース」です。これは機械翻訳結果を引き出せるように、システムが理解しやすい文章入力をユーザに促すような入力支援技術。あまりに口語的な表現や省略表現が多すぎたりすると、うまく機械翻訳されないことがありますが、これを携帯電話での文字入力のように次の文字や単語候補を補完する示唆をしてくれる、という入力支援のインタフェース技術によって解決するアプローチを実現した技術でした。未だ課題が色々あるようでしたが、今後の発展が非常に楽しみです。

今回の研究会で言語グリッドを使った多言語システムが実に様々な現場で利用されはじめているのだということを改めて知りました。今後どんどんボーダーレスな世の中になり、言語の問題が増えてくるかもしれませんが、こういったニーズに応える技術シーズについて取り組んでいる本研究会には今後も積極的に参加していきたいです!

投稿者 toshi | 7. 研究開発