2009年09月02日

 September 02 Newsletter: パンゲアリング 須曽野 仁志さん

今月のパンゲアリングは、三重大学教育学部附属教育実践総合センター教 授・須曽野仁志さんです。今年から三重大学アクティビティをご担当いただ いています。学生への活動紹介も積極的に行っていただき、新たなファシリ テーターも数多く誕生しています。



私は大学で「教育の方法と技術」などの授業を担当する教員です。小・中学 生がテクノロジーをいかに使うとよりよい学び方ができるか、学習が楽しく なるか、について実践研究を進めています。

 大学に勤務する前は中学校で数学と英語を教える教員でした。もう20年以 上前になりますが、1988年から国際パソコン通信を始めました。電子メール で知り合ったのは、米国ボストン郊外にある中学校で校長をしていたジョン (John D'Auria)でした。

 彼とのメール交換を中学生の学習に何とか活用できないか、と考え、英語 の授業で実践を進めました。英語を学び始めた中学生に英文は難しかったで すが、「ハンバーガーの値段は?」「夏休みはどれくらいあるの?」といっ た質問にジョンは親切に答えてくれました。英語メールを英語力向上のため に用いたのではなく、中学生が海外の人とつながるため、そして、国際交流 する心を育てるために活用したかったのです。

 あれから時は過ぎインターネットが使えるようになり、世界への「窓」は 広がりました。こども同士の国際交流にこだわる私がパンゲアに出会ったの は、4年前に見た朝のNHKニュースでした。その中で紹介されていた「絵文字」 は、言葉の壁を越え、こども達が交流できるツールになる、と直感しました。 それから偶然にも、三重大学の国際推進プランで、パンゲアの皆さんにお世 話になることになり、毎月のパンゲア活動を楽しく拝見しています。

 私の大学授業では、国際交流学習の実践例として、パンゲア活動の様子を 大学生に話をしていますが、「絵文字(ピクトンメール)」での交流には興 味を持つ大学生が増えています。私が活動を見ていても手描きの絵をうまく 交流に使ったり、参加者同士のコミュニケーションがすばらしい、と思いま す。ICT(情報通信技術)を使う国際交流というと、まずコンピュータや インターネットのことが話題となりがちですが、パンゲアの活動では、こど も同士のつながりやコミュニケーションが大切にされていて、テクノロジー はその引き立て役となっています。私がずっと20年以上こだわってきたこと と、共通しているように感じます。


三重大学教育学部附属教育実践総合センター 教授
須曽野 仁志

投稿者 kumakinoko | 3. ニュースレター , 4. パンゲアリング