October 2006 Pangaea Newsletter

-INDEX-

・06年9月の活動概況
・特報:日韓同期アクティビティ開催決定!
・急募:韓国語翻訳ボランティア募集中!
・理事長便り
・技術便り
・アクティビティ便り
・パンゲアリング(パンゲアンからのメッセージ)
  今月は、ヨーロッパでの初期のパンゲア活動を支援してくださったスウェーデンのセシリアさんからのメッセージです。

06年9月の活動概況

9月8日、22日 荻北アクティビティ再開

8月は夏休みのためお休みしていた杉並区荻窪北児童館アクティビティが再開しました。夏休み明け、久しぶりの参加にこども達は元気いっぱい。休み前以上にパワーアップしたようにも思える元気なこども達と一緒に、ファシリテーターも目一杯、アクティビティを楽しみました。

9月9日、23日 COCON烏丸アクティビティ

京都R&Dセンターでも月2回のアクティビティが開催されています。アクティビティ初参加のファシリテーターさんたちも、戸惑いながらもこども達との時間をとても楽しんでくださっているようです。スタッフ一同、京都のみなさんともっともっと楽しい時間を共有していけるよう心から願っています。

9月16日 渋谷区合同アクティビティ

渋谷区では9月から、上原中学校、代々木小学校での2校同時開催となりました。3回続いた合同アクティビティで仲良くなった小・中学生が距離的に離れてしまうのはちょっと淋しいことですが、顔なじみの子と離れた場所でほぼリアルタイムでピクトンメールのやりとりができることに、こども達はとても興奮していたようです。

9月21日 トヨタ財団「アジア隣人ネットワーク」プログラム助成金受託

『絵文字を用いたアジア地域子供のつながりネットワークの形成ーファシリテーターネットワークの構築と異文化コラボレーショントレーニングに関するプログラムの開発』と題した研究助成金の受託が正式決定しました。アクティビティはもちろんのこと、アジア地域におけるこども達のコミュニケーションを促進するための、ヒューマンネットワーク形成とファシリテーターの養成を推進していきます。http://www.toyotafound.or.jp/tounan.html

9月23日 ソウル・ミジセンターで定期アクティビティスタート

春から準備を着々と進めていたソウル・ミジセンターでの定期アクティビティがついにスタートしました。ここでは総勢23名のこども達が毎月参加していきます。秋には同期イベントも開かれます。東京や京都とのピクトンメールのやりとりもさらに活発になっていきます。

特報:日韓同期アクティビティ開催決定!

 昨年に引き続き、今年も東京とソウルをつなぐ同期アクティビティを開催します。ソウル側の会場はこの9月にアクティビティがスタートしたばかりのミジセンター、東京側は渋谷区立上原中学校を会場としてお借りする予定です。こども達はWEBカメラでお互いの顔を見ながらピクトンチャットに挑戦したり、リアルタイムでピクトンメールを楽しんでもらいます。参加したこども達ひとりひとりに“つながり”を実感してもらえるよう、10月からスタッフ一同、気持ちをさらにひきしめて準備を進めていきます。10月、11月は通常のアクティビティに加え、同期実験やリハーサルなどボランティアスタッフの方々にも参加していただくシーンが増えてきます。みなさんのさらなるご支援をどうぞよろしくお願いいたします。


急募!韓国語の翻訳ができる方を探しています!

 日韓同期アクティビティ実施に向け、資料やホームページの韓国語訳を手伝っていただけるボランティアの方を募集しています!!イベント向けにアクティビティマニュアルの一部や打ち合わせ資料や、ホームページの一部を韓国語に訳してくださる方をぜひご紹介ください。

自分ができる、またはやってみたい、身近にやってくれそうな人がいる、という方はお気軽に事務局までご連絡ください。
E-mail: info*pangaean.org(「*」を「@」に変えてください)(事務局・花田宛)


理事長便り パンゲア理事長:森

 ついに韓国ユネスコのミジセンターでアクティビティが始まりました。総勢23名のこども達を前に、キョンヒ大学から来てくださった7名のファシリテーターさん達も大忙し。若いファシリテーターさんたちも元気一杯で、とてもにぎやかで楽しい一日が過ごせました。

 二日前にはファシリテーター講習第二弾でパンゲアネットを紹介したのですが、講義では英語を中心にしつつ、言語グリッドプロジェクトの機械翻訳も使わせてもらいました。言葉の壁ってほんと超えるのが大変ですが、絵文字やグリッドみたいなツールがあればその壁はぐんと低くなってくる。あとはこの便利なツールを使いこなしてみんなとスムーズなコミュニケーションがとれるよう、試行錯誤で頑張っています。当日のアクティビティでは初参加のこどもたちが熱心にパンゲアハウス作りに取り組みましたが、とにかくみんな絵がうまい。昨年から参加してくれていてすでにパンゲアハウスを持っているこども達は各地から届いた自分宛ての招待カードに興奮し、すぐに返事を書いていました。日本ではちょうど同じ時間に京都で活動をしていたので、ほぼリアルタイムでメールが飛び交っていました。

 9月半ばごろには、ヨーロッパでの初期のパンゲア活動を支援してくれていたスウェーデンのセシリアがアジア出張の休日を利用してパンゲアに遊びに来てくれました。彼女とはヨーロッパを移動中の飛行機の中でたまたま隣合わせ、意気投合して以来の付き合いです。私にとって彼女はソウルメイトとも言える存在で、初対面でそのままいきなり彼女の家に数週間滞在してしまったという、今考えると信じられない出会いの経緯があります。その頃の私たちには準備のための資金がまるでなかったのですが、彼女は私と高崎と3人でずっと一緒にヨーロッパ行脚をしてくれたパンゲアンなのです。

 彼女は代々木小学校でこども達と一緒にアクティビティに参加し、パンゲアハウス作りを楽しみました。あの暗中模索だったヨーロッパ行脚時代から、活動がここまで目に見える形になったことを心から喜んでくれていました。アクティビティの後は、上原中学校で渋谷ファンインのみなさんとの餃子パーティへ。パンゲアの活動や母国スウェーデンの話題に花を咲かせつつ、ファンインのお母さん達の手づくり餃子を大喜びでほおばっていました。渋谷ファンインの細野さん、相川先生、餃子とっても美味しかったです。ごちそうさまでした!おかげでセシリアにも普通の観光では味わえない、素敵な日本を体験してもらえました。

 12月には三重県でもアクティビティが始まります。またトヨタ財団より日韓つながりアクティビティへ助成金を頂くことも決定しました。さあ、がんがんがんばります!

  森 由美子

技術便り パンゲア副理事長:高崎

 日本は秋の到来で、旬の食べ物も美味しくなり、鍋料理もそろそろ食べたいなぁ、という季節がやってまいりました。季節の変わり目で気温も下がり、体調管理にはお互い気をつけたいものですね。

 9月は例によって京都、東京、そしてソウルとあちこち飛び回っておりました。東京では渋谷アクティビティの新しい拠点のために事前の技術調査を行ったり、荻窪北児童館でネットのテストも行ったりしていました。これらの調査やテストには技術ボランティアの安藤君や青嶋君が忙しいバイトや修論の合間をぬって、まめに参加してくださったので大いに助かりました。どうもありがとう!この2人はすでに現場でTL(技術リーダー)として活躍しているので、今後がますます楽しみです。

 9月後半には森と韓国・ソウルのミジセンターへ行って、アクティビティを実施してきました。こども達は23人と満員御礼!そのうち19人が初参加者だったので、恥ずかしながら韓国語のまるで理解できない森も私も出国前からどうやったらこども達とうまくコミュニケーションとれるんだろう?といささか緊張気味でした。でもフタを空けてみるとこども達とのコミュニケーションに言葉は不要。ワイワイガヤガヤとパンゲアを楽しんでくれていました。キョンヒ大学の学生ボランティアのみんなが自然に子供たちと接している姿が印象的でした。またミジセンターのIT管理者の方が技術準備や撤収をサポートしてくださったので、インターネット接続やパソコン設定などは安心してすすめられました。それにしても、韓国の方は同じような名前が多いです。例えば今回のスタッフ7名のうち、2名が同姓同名、また別の2人名が同じ名字。それに加えて呼ばれたいニックネームが似通っていたので、この9月についに三十路の旅に出た私の頭の中が真っ白になるシーンもしばしば。前日の準備の時にしっかり指差し確認とかして何とか大丈夫でしたが。

 韓国アクティビティの次のマイルストンは、11月に実施する日韓同期イベントです。その時までに少なくともハングルは読めるようにして、現場で名札が読めるくらいにはしておかないとなぁ、と思います。また先月のニュースレターに掲載した言語グリッドによって、こういう世界のスタッフ同士が情報交換やコラボレーションができる日を目指して頑張っています。

高崎俊之

アクティビティ便り アクティビティ担当:山崎

 もう鍋料理が食べたいなんて、高崎さんはなんとも気が早いですね。でも確かに今年も残りあと2ヶ月。すでに晩秋の気配が近づいています。ただ今年は夏がだいぶ遅れてやって来たせいか、ついこの間まで真夏だった気がしてしまうのは私だけじゃないですよね、きっと。

 9月の東京アクティビティは、8月ののんびりモードから一転、夏休みだった荻北が再開し、渋谷区の拠点が2校に増えたりなどで準備作業に追われました。でも元気なこども達に再会するとやっぱり気持ちが引き締まります。9月最大のイベントは、渋谷区立上原中学校でスタートしたアクティビティ。第1回目は既存参加者たちが学校行事で参加できなかったためごく少人数からのスタートになってしまいましたが、10月には上原中学校で道徳の時間を使って生徒さん達にプレゼンをする機会をいただけたので、参加者も徐々に増えてくるものと期待しています。

 新米FLの私は、実はアクティビティでは準備の時点から毎回緊張しています。現場で起こるこども達との小さなハプニングへの対処方法にも戸惑うことがたくさんあります。遊びに飽きて走り回る子、すぐ友達とケンカしてしまう子、ゲームやマンガに熱中してしまう子etc...いったいどうしたらパンゲアの遊びに戻って来てもらえるんだろう?と毎回頭を悩ませています。けれど落ち着いて考えてみると、安定稼働している渋谷や杉並のパンゲアは毎回わくわく楽しい遊び場であると同時に、こども達が大人の目を全く気にせず、安心して思いっきり羽をのばせる場所なんだということもわかってきました。転んで怪我をしたりしないよう、また暴力的に友達を傷つけたりしないよう、安全面に気を配ることは必要ですが、一方的にそれはダメだとか決めつけて叱る必要もないことに気がつきました。

 ヒントをくれたのは代々木小の6年生。自分で持って来たDSに夢中になっているので「ねえ、パンゲアしようよ?ゲームは家でもできるんだしぃ。。。」とややネチコイ説得モードに入ったところ、「じゃああと15分やらせて。そしたらパンゲアやるから」と期限を提示してくれました。「よし。じゃあ自分で決めたんだから守ってね」「うん」。そんな会話のしばらく後、彼の様子を見に行ったところ、また友達と楽しそうに作品作りに励んでいました。押し付けずにうまくやる方法があるんだな。そう手応えを感じた瞬間でした。

   新しい拠点の立ちあげ準備も含めて、新米マネージャーの私にとって学ぶことが多かったこの1ヶ月。そして10月は日韓同期イベントの準備が始まります。2年のボランティア期間を経て、今年の春に思い切って会社を辞めてとるものもとりあえず飛び込んでみた世界はありましたが、ひとつひとつの気づきに大きな喜びがついてくる。それがパンゲアの仕事に関わる醍醐味だと日々実感しています。

山崎 麻里子

パンゲアリング  セシリア・リンドグレンさん

今月は9月半ばにスウェーデンから来日し、渋谷アクティビティに参加してくださったセシリア・リンドグレンさんからのメッセージです。

 アジア出張の休日を東京で過ごすことができたのは私にとってとても幸運な出来事でした。日本を訪れることさえも初めての私にとって、1100万人の人々が暮らす東京は、穏やかで平穏な都市という印象。どこへ出かけても、私は素晴しく親切で礼儀正しい人々に出会うことができました。パンゲアのような組織が生まれ、そして世界の他の地域へ広がるのにとても相応しい最適な環境だと思います。

 世界中の子どもと大人、すべての個人が尊重されているという点に、パンゲアの本質があると私は思っています。これは、渋谷でパンゲア活動に参加して私が直に学んだことです。

 今回アクティビティに参加するまでは、土曜日にこども達が自発的に学校に集まってくるなんてとても意外に思っていました。でも実際に体験してみることでそしてこの活動がいかに楽しいものか気づいたのです。こども達はその場でお互いに触れ合うことだけでなく、オンラインのコミュニケーションを楽しんでいました。彼らは見知らぬ私を簡単に受け入れ、そして私の描いた家の絵に興味を示してくれましたし、パンゲアに来ているこども達が根気よく丁寧に、そしてとても上手に絵を描いていることにとても感心しました。どの子もみんな愛らしく、うちへ連れ帰りたくなってしまうくらい。

 世界中のあらゆるこどもがいつかパンゲアに出会い、言葉の壁を越えたコミュニケーションを通じてお互いのことを知り、学び、楽しんで、そして友達を作っていく。世界がそうなっていくことが、私の心からの願いです。

 パンゲアはすでに世界をよりよい場所にしています。この活動をリーダーとして押し進めるユミとトシ、そしてとても仕事熱心なパンゲアのスタッフの姿に私は心から感銘を受けました。


私にパンゲアへの道を示してくれて、Arigato。

セシリア・リンドグレン
スウェーデン