September 2006 Pangaea Newsletter

-INDEX-

・06年8月の活動概況
・理事長便り
・技術便り
・アクティビティ便り
・パンゲアリング(パンゲアンからのメッセージ)
  今月はケニアにあるパンゲアアフリカの代表、ジェーンさんからのメッセージです。

06年8月の活動概況

8月8日 京都新聞・市民版ワイドでパンゲアが紹介されました。

京都新聞の市民版ワイドのコーナーで「絵文字で世界と話そう」と題し、パンゲアの紹介記事が掲載されました。絵文字「ピクトン」を使ったメールでの国際交流や、京都R&Dセンターでアクティビティがスタートすることなどを紹介していただきました。

8月12日、26日 京都でつながりアクティビティスタート!

京都R&Dセンター主催のつながりアクティビティがついにスタートしました。京都では毎月2回、第2土曜、第4土曜日に定期開催していきます。パンゲア独自の拠点として研究開発の視点から、遊びを通したつながり形成の観察を行ないつつ、他拠点に先駆けた新しい遊びの導入、およびそれらをマニュアル化し、各拠点への配信を目指していきます。

8月16日 渋谷区合同アクティビティ

渋谷区立代々木小学校で、小・中合同のアクティビティを実施しました。夏休みの思い出をテーマに、ピクトンを組み合わせた4コママンガやパソコンでアニメ作品をつくり、パンゲアネットに公開しました。

8月21日 「日韓こどもつながりネットワーク」事業へのユネスコ後援決定

社団法人日本ユネスコ協会連盟より、日本の各拠点と韓国ユネスコのミジセンターを結ぶ継続的なパンゲアアクティビティの実施事業「日韓こどもつながりネットワーク」を後援いただけることが決定しました。正式な後援をえて、今年も11月に東京―ソウル間の同期イベントを開催する予定です。

8月31日 平成18年度国際教育推進プランの第1回地域連絡会議を行いました。

国際教育推進プランは、文部科学省が「国際社会で地球的視野に立って主体的に行動できる人材の育成を目標」に掲げた新たな事業です。この事業において三重県教育委員会、三重大学、NPO法人パンゲアの3者が連携するプロジェクトが採択されました。第1回地域連絡会議は三重県津市にて、今年度中に三重県でのパンゲアアクティビティ実施を目指して開催されました。

理事長便り パンゲア理事長:森

 初めての京都の夏。話には聞いていたが、こんなに暑いとは。。。四条烏丸近辺はアスファルトとビルに囲まれていて体感温度がさらに暑い。オフィスのみんなも気象庁のデータより2、3度は高いに違いないと、フウフウ言っていました。
 京都にR&Dセンターを開設して5ヶ月目、今月からCOCON烏丸でもアクティビティを開始。お盆の最中で告知活動がうまくいかなったため少人数ではあるけれど、ファシリテーター研修を受けてくれた京都ボランティアのみんなも参加してくれて、場所と活動になれてもらうにはいいスタートです。そろそろいろんな拠点が恒常的に活動しはじめ、国内ではほぼ毎週どこかでアクティビティがあります。私も春からのアクティビティはほぼ全部どこかの拠点で参加しています。「大変だね」とよくいわれるけれど、アクティビティが楽しいから、他のかなりしんどいことがやってられるというのが本音。できればそれだけやっていたい。なんて思うほどです。京都ですごい恐竜好き、昆虫好きのこども発見!渋谷の恐竜好きのあの子とパンゲアネットで出会うんだろうな、と思うといまからワクワクしてしまいます。

 ソウルでは来月から韓国ユネスコのミジセンターで定期活動が始まります。日韓でのパンゲア活動に日本ユネスコ協会も後援してくれることが決まりました。今後は言語グリッドの多言語チャットツールなども活用して、ファシリテーター同士もつながりを感じられる機会をつくっていくことが、パンゲアを広げていくにはとても大切だと最近思っています。11月に予定している同期アクティビティでファシのみんなにはリアルに体験してもらえるかな。お楽しみに。

  森 由美子

技術便り パンゲア副理事長:高崎

 気がつけば夏も終わりに近づき、あっという間にもう9月!
 京都の昼はまだ暑さが残りますが、夜は涼しくとても過ごしやすくなりました。法人化されてから3年、京都でパンゲア初の独自のアクティビティがスタートしたのには感無量。京都の生活もこれからさらに楽しくなりそうです。

 今回は先月の理事長便りでちらっと紹介された言語グリッドの同時翻訳ツールについて少し詳しく説明したいと思います。

7月末に言語グリッドメンバーと共にソウルを訪れ、京都のスタッフとミジセンターのボランティアさんたちを日本語―韓国語の同時翻訳チャットで結ぶデモンストレーションを実施しました。

 この機械翻訳はとても精度が高く、また我々が独自に使っているパンゲア用語も言語グリッドの機能によってうまく翻訳されていました。ここの部分が言語グリッドの醍醐味です。例えばパンゲアでよく使う「ファシリテーター」という言葉は日本語としてはまだあまり一般的ではありません。これを普通の日英翻訳に通すとなんとなく綴りは似ているけれど意味不明のアルファベット列になったり、英語訳されずに日本語のままになっていたりと、実際のところ意思の疎通がうまく図れません。通常の翻訳ツールでも用例の登録はできますが、実際の登録の仕方はとても複雑で難しい。でも言語グリッドのシステムは、「“ファシリテーター”は“Facilitator”と翻訳してください」というように使う側が用例を簡単に登録できるので、今までの一般の機械翻訳では実現しにくかった独自用語への対応が可能となります。現在、まずは日韓のパンゲアスタッフ間でのコミュニケーションを第一の目標として、この8月からパンゲアが利用者の立場でパンゲア用語の日本語・英語・韓国語・ドイツ語の辞書を作っています。作業を通して気づいたさまざまな点をできるだけ詳細にNICTへフィードバックすることを日々心がけています。

 言語グリッドは一般のNPO/NGOや市民が気軽な異文化コラボレーションを行えるようにと考えられました。これはパンゲアの拠点同士のコラボレーションにまさにぴったりのツールです。言語グリッドのシステムを構築するNICTと、国際的な実証フィールドを持つパンゲアがお互いの強みを発揮しながら、今後も研究パートナーとして活動していきたいです。

(言語グリッド解説はこちら:http://langrid.nict.go.jp/projectj.htm

高崎俊之

アクティビティ便り アクティビティ担当:山崎

 8月の東京はのんびりモード。あんまりのんびりし過ぎてうっかり、代々木の地域協力員の方にアクティビティ開催日の連絡を忘れてしまいました。おかげで地域のパソコン教室とブッキング。ひたすら反省です。でも驚いたことにブッキングを知ったパソコン教室の方々が「パンゲアなら譲らなくちゃ」と時間を早めに切り上げてくださったのです。思った以上にパンゲアが地域に浸透しているようで嬉しかったです。

 渋谷ではいよいよパンゲアネットに作品を投稿しようということで、「ピクトンマンガ」アクティビティに挑戦しました。テーマは「ぼくの、わたしのなつやすみ」。好きな大きさ、カタチに切った白のポストイットにピクトンやイラストを描き、それを21cm四方の正方形の台紙に貼り付けて完成です。作品はスキャンしてパンゲアム(パンゲアネット上の作品ミュージアム)に投稿します。面白く読んでもらうこと、マンガ慣れしていないこども達を意識してシンプルにわかりやすく表現することなどを心がけて。臨海学校でいたずらなクラスの男子にクラゲを投げつけられてびっくりした話、いろんなお茶を混ぜて飲んだらまずかったので最後は捨ててしまった話、夢で壷からでてきたお化けに追いかけられた話などなど、思わず笑ってしまう楽しいマンガができあがりました。

 同じものをパソコンを使ってアニメで表現した子もいます。ブッキングのためにPCルームを使える時間が短かったのですが、あらかじめ用意した作戦ノートでイメージを膨らませておき、一気に作品を仕上げました。ある中学生はもくもくと製作にはげみ、最後には画面いっぱいにみごとな花火が上がりました。みんなからの歓声に、照れながらちょっとだけ誇らしそうな顔。こういう瞬間に出会えることが、ファシリテーターの喜びでもあります。彼の作品を見た世界中のこどもたちからの歓声も聞こえてきそう。初期登録のアクティビティが各地で着々と進んでいますが、彼の作品がパンゲアムスタートの打ち上げ花火になるといいな、なんて思いました。
 
山崎 麻里子

パンゲアリング パンゲア アフリカ代表:ジェーン・ガトーニさん

 今月はケニアにあるパンゲアアフリカの代表、ジェーンさんからメッセージをいただきました。ジェーンさんは子ども向け教育雑誌「Manenoworld」の編集長です。昨年8月にはこの雑誌でパンゲアの活動や子どもたちの描いた絵文字が紹介されました。ジェーンさん、情熱的なメッセージをどうもありがとう!
 (Manenoworld のホームページはこちら:http://www.manenoworld.com/

 パンゲアアフリカより

 皆さんはもうすでにパンゲアアフリカについて書かれた記事をたくさん読まれていることでしょう。パンゲアアフリカはパンゲアの志が掲げられて以来、共に活動してきた最も古い同志の一員です。私たちはパンゲアの大成長の途を見守り、またその成功も支えてきました。
 2002年の活動開始当初は、ひとつの目標年と定められた2005年まではなんと長い道のりだろうと思っていました。そしてその長い道のりを経て今日、私たちが活動的な参加者の一員となれたことを誇りに思います。

ケニアはコミュニケーション面においてまだ多くの問題を抱えています。多くの人は、まだコンピューターを使用することが出来ません。インターネットに接続できる環境は少なく、また通信速度もとても遅い場合があります。しかし、そのような環境の中でも、由美とトシは私たちをずっとサポートし続けてくれました。彼等はいつも私たちの要望に対し積極的に、そして迅速に対処してくれたのです。

ケニアの参加者たちはとてもやる気があって、これは一緒にプログラムを運営していく上でとても大切なことです。しかしケニアでは他国と違って設備が整っていないため、多くの子供たちが参加したいにも関わらず、参加できていないのが現状です。

ケニアはコミュニケーション面においてまだ多くの問題を抱えています。多くの人は、まだコンピューターを使用することが出来ません。インターネットに接続できる環境は少なく、また通信速度もとても遅い場合があります。しかし、そのような環境の中でも、由美とトシは私たちをずっとサポートし続けてくれました。彼等はいつも私たちの要望に対し積極的に、そして迅速に対処してくれたのです。

近い将来、世界中の協力者や子どもたちと自由にリアルタイムでコミュニケーションをすることができるパンゲアセンターがケニアに設立されることを願っています。

パンゲアアフリカ代表
Manenoworld
ジェーン・ガトーニ(Jane Gatonye)