July 2006 Pangaea Newsletter

-INDEX-

・06年6月の活動概況
・理事長便り
・技術便り
・アクティビティ便り
・パンゲアリング(パンゲアンからのメッセージ)
  今月のパンゲアリングは都合によりお休みをいただきます。

06年6月の活動概況

6月1日 ウィーンにてパンゲア活動開始記者発表

パンゲアネットの完成を機に、ウィーン市主催でパンゲアの活動に関する記者発表が行われました。プレス関係者の他、市の教育関係者も参加し、こども達が実際にパンゲアネットを楽しむ様子が紹介されました。記者のインタビューにも元気にパンゲア参加の喜びを語ってくれました。

6月6日 ナイロビにてファシリテーター講習会実施

ナイロビでの実施拠点、ルシンガスクールでパンゲアネットを使ったアクティビティのためのファシリテーター講習会を実施しました。ケニアでは急激にIT環境が進化しているとはいえ、まだまだ十分なネットワーク環境が整っていない現状も明らかになりました。現地での協力者の方がそうした環境改善のために動き出してくれています。

6月9日、30日 荻窪北児童館アクティビティスタート!

昨年からパンゲア活動に参加してくださった荻窪北児童館で新年度のアクティビティがスタートしました。毎月第2、第4金曜日の午後、児童館に通う近隣の小学3年生以上のこども達を対象に活動を進めていきます。6月の参加者は総勢15名。元気いっぱいのこども達は初めてみるパンゲアネットに驚きの歓声をあげていました。

6月10日 京都ボランティア懇親会

京都R&Dセンターのスタート以来、続々と集まってくださったボランティアの方々と懇親会を開きました。コアスタッフも含め総勢12名が集まり、ウィーン・ナイロビの出張報告、互いの自己紹介などで、4時間ほどの会食の時間はあっという間に過ぎて行きました。

6月17日 パンゲアネットお披露目アクティビティ@代々木小学校

渋谷区の新年度の活動再開に先立ち、これまで参加してくれたこども達を対象にパンゲアネットのお披露目イベントを行いました。完成版を見るのはみんな初めてです。3月の合同イベントに参加した子から、さらなる進化ぶりに驚きの声があがっていました。これからもっともっと楽しくなりますよ!

6月25日 京都にて、第1回クリエイターズミーティング参加

京都大学町屋キャンパスにて『縁人(http://www.enzin.net/)』主催による『第1回クリエイターズ・ミーティング~世界と日常をデザインするコンナ方法~』が開かれ、副理事長の高崎が講演を行いました。この会にはパンゲア他、『地球回廊(http://www.globalcorridor.net/)』『くるりん』『洛西一周(http://rakusai.org/)』など、京都を中心にデザインやプログラミングなどの創造的な活動展開する人々が参加しています。互いの活動を紹介するとともにコラボレーションの機会を模索したりと刺激的な集まりとなりました。この会を通じてまた新たなボランティアの方も増え、京都でのパンゲアの輪もどんどん拡がってきています。

理事長便り パンゲア理事長:森

6月1日にウィーン市が主催で、パンゲア活動開始のプレス発表をしてくださいました。新聞記者や市の教育関係者も参加し、その2日前からパンゲアネットを使い始めているこども達も会場に入ってきて、実際に使用しているシーンが見られました。記者のインタビューにも元気にパンゲア参加の喜びを語ってくれたようです。

ウィーンアクティビティ 記念すべきパンゲアネット使用第一拠点となったウィーン市ではすでに15回もアクティビティを実施していました。実施場所のユースセンターは日本でいう児童館のようなもの。今、40名程度がパンゲアンとして登録されていますが、この児童館ではなんとこども達の話す言語は27もあるんです!だからこそ、言葉の壁を気にすることなくピクトンで意思を伝えることのできるパンゲアネットにみんな大興奮なのでしょう。言葉が通じない我々のそでをつかんで、パンゲアネット全体図を持ってきていろんな質問をしてくれました。

ウィーンアクティビティ その後、ナイロビへ。ここでもパンゲアネットを用いたアクティビティのための講習会をしました。いよいよ、始まった4カ国のパンゲア。杉並、渋谷でもまた活動が始まっています。7月には東京と京都でファシリテーター講習会も催されます。こうした各地での講習会でのノウハウをまとめ、9月にはパンゲアファシリテータ認定プログラムをスタートします。こうしてオフィシャルな形で認証制度を設けることで、ボランティアのみなさんにもパンゲアのアクティビティを通じて、ファシリテーションのノウハウを学び取っていただくことができ、参加意欲や満足度も増していくものと考えています。東京、京都それぞれに新しいボランティアが増え、参加してくれています。まだ4カ国ですが、パンゲアの活動がやっと皆様にわかる形になってきました。活動形態がわかりやすくなったことで、7月以降は企業の方々に向け、協賛金のお願いを強化していこうと考えています。企業の方、社会貢献活動で世界のこどもをつなぐパンゲアをご支援していただくには最善のタイミングです。いつでもプレゼンに伺いますのでぜひ事務局までご連絡ください!

森 由美子

技術便り パンゲア副理事長:高崎

6月初旬、ウィーンを後に新しいパンゲアパッケージをひっさげてナイロビへ飛びました。南半球のケニアは今、秋。涼しく過ごしやすかったです。前回の訪問は2月でしたが、街灯や信号機が新設されてたり、幹線道路の一部の舗装が良くなっていたり、前回見た道路沿いの広告看板のケータイの機種が新しくなっていたりで、たった4ヶ月間のこの変化にはビックリでした。

ルシンガスクールという学校でパンゲアをやっているのですが、今回もそこを訪ねパンゲアネットを導入しました。ITインフラが目に見えて進化しているナイロビですが、それでも技術的な問題はありました。それはインターネットの接続スピードです。ここでは校舎の壁にパラボラアンテナが備え付けられ人工衛星を通してネットに繋がっています。ただ、コストや衛星通信の限界スピード、物理的距離の問題などから、日本国内にあるパンゲアネットのサーバーへアクセスするには少し時間がかかり、コンテンツを見るのにとても待たなくてはいけませんでした。

ナイロビ記念撮影 でも、ここからがピースエンジニアリングのパンゲア技術開発の本領発揮です。ケニアには、僕のMITメディアラボの友人でこちらに戻って起業しながら地元の大学でも教鞭をとり始めているオーコー君がいます。彼と早速連絡を取り、高速安定ネット回線に繋がった専用サーバーをナイロビ市内に設置できるよう検討をはじめました。またウィーンのパンゲア技術スタッフのダニエル君からは「ダウンロードするのに時間がかかる部分を予めパソコンに記録させてみてはどう?自分も一緒に開発したい!」と提案があったり、東京の寺崎君からはこういった問題解決のための具体的な技術アドバイスをもらいました。限りある人・インフラ・経済的リソースの中で、理想的で完全なモノは難しくても、少なくとも現状よりベターなモノを作り始めるべきだ!まずは半歩でも良いから、前に踏み出していくんだ!というパンゲアンの気概の表れです。今後こういった輪を広げ、つながっていけるためのオンラインのピースエンジニアリング・コミュニティを作りたいと思っていて、今は言語の問題や実施運営の手法などについて検討しています。

高崎俊之

アクティビティ便り アクティビティ担当:山崎

5月末のウィーンにつづき、東京では6月からパンゲアネットを使ったアクティビティがスタートしました。
東京での第1号は渋谷のこども達。2年間に及ぶみんなの協力でパンゲアネットが完成したことを伝えることから、その日のアクティビティは始まりました。高崎によるデモンストレーション中、「3月に見たときより、すっごい進化してる!」
あちこちからそんな驚きの声が。

渋谷アクティビティパソコンルームでそれぞれが自分宛のメールを確認したり、好きな子にピクトンメールを出したりしている間はみんな真剣そのものの表情。そして同時進行中のアナログテーブルも最高に盛りあがっていました。世界のこども達の家を見て創作意欲も高まったようです。あらたに家や部屋を描き直す子、プロフィールに記入する「好きなもの3つ」を考える子、招待カードをデザインする子。。。小・中学生、大人ファシリテーターも入り乱れ、にぎやかに作業が進みました。

一方で開催日が平日の午後になった荻窪北児童館ではまったく始めての参加者向けのアクティビティがスタートしました。パンゲアそのものの紹介から、パンゲアネットの説明も含めたアクティビティは私たちにとっても初の取り組みです。こども達に対していかにわかりやすく、魅力的に話すことができるかが、何より気を使ったところです。
 地域ごとにこども達の個性も違ってきます。陽気でのんきモノの渋谷、底抜けに明るく元気な荻窪。土地柄や学校や児童館というスペースの形態の違いもそれぞれの個性に反映されるようです。アクティビティを離れている間も、あの子の言ったこと、この子の言ったこと、とたくさんの出来事が頭の中をよぎります。ひとりひとり、忘れられない思い出をこれからもいっぱいつくっていけたらいいな。それはファシリテーターとして現場に参加するみなさん共通の想いでもありますね。
 アクティビティメニューをマニュアル化したことにより、現場でのオペレーションもスムーズになってきます。ファシリテーター講習会も開かれ、現場で感じた疑問や不安などを共有できるQ&Aサイトも近々オープン予定です。みなさんにもっともっと楽しんで参加していただけるよう、パンゲアはどんどん進化していきます。こうご期待!

山崎 麻里子