April 2006 Pangaea Newsletter

-INDEX-

・京都R&Dセンター設立のお知らせ
・東京オフィス移転のお知らせ
・06年3月の活動概況
・理事長便り
・技術便り
・アクティビティ活動報告
・パンゲアリング(パンゲアンからのメッセージ)
 今月は、技術現場ボランティアの西山智宏さんです。

京都R&Dセンター設立のお知らせ

06年4月、NPO法人パンゲアは、研究開発の拠点を京都に移します。
京都大学社会情報学部、NICT(独立行政法人 情報通信研究機構)などによる言語グリッドプロジェクト(※)との連携により、より多くの国のこどもたちのために、より使いやすく楽しいコンテンツを創りだしていきます。

オフィスは四条烏丸、NICTと京都大学情報学部が設立する異文化コラボレーションセンターの一角になります。 副理事長の高崎俊之を責任者として、事務局の花田武和、デザイン担当の高見澤賢丈の3名が常駐し、今後の開発を進めていきます。新たなアクティビティ拠点としても機能するため、関西方面でのボランティアスタッフの募集も行っていきたいと思っております。これまで東京でのアクティビティへの参加が難しかった方、ぜひこの機会に京都での参加をお待ちしています。

600-8411
京都府京都市下京区四条烏丸下ル水銀屋町620 COCON烏丸 4F
TEL:075-353-4419
FAX:075-353-4182
Email: info*pangaean.org(「*」を「@」に変えてください)

※言語グリッドプロジェクトの詳細はこちら。 http://langrid.nict.go.jp/indexj.htm

東京オフィス移転のお知らせ

4月1日より東京オフィスは下記に移転しました。
営団地下鉄・千代田線乃木坂駅より徒歩1分。
静かで環境のよいスペースです。お近くにお寄りの際はお気軽にお声をおかけください。

107-0062 東京都港区南青山1-20-15 ROCK 1st 301
TEL: 03-5775-7738
FAX: 03-5775-7671
Email: info*pangaean.org(「*」を「@」に変えてください)

06年3月の活動概況

3月18日 土曜日 渋谷区合同アクティビティ実施

渋谷区の4校の小・中学生24名が一堂に会し、学期末の総括でもある合同アクティビティを行いました。ソウル、ウィーン、ナイロビの友達の「家」をみて、「声」を聞き、たくさんのピクトンメールを送りました。また、ひとりひとりのパンゲアハウスがデザインされた、世界にたったひとつの「パスポート」が配られ、世界のパンゲアンとの交信の記録や、友達と交換したフレンドフォトやメッセージなど、つながりの想い出が持ち帰られました。

3月21日 火曜日 ファシリテーター懇親会

アクティビティや事務局運営などのさまざまなシーンでボランティアとして参加して下さっているみなさまと、事務局スタッフが神田でランチを楽しみました。お仕事や学校の都合などでご無沙汰していた方や、最近の参加者の方々とのよい交流の機会になりました。こうした会を今後、東京と京都で定期的に開き、パンゲアンのネットワークを広げていきたいと思っています。次回の開催は改めてご案内申し上げますので、みなさまお気軽に参加ください。

3月25日 土曜日 公開イベント『インタラクティブ絵本』実施

杉並区アニメーションミュージアムにて、パンゲア初の公募イベントを行いました。子どもたちは3つのグループにわかれ、326(ナカムラミツル)さん原作の未完の絵本『パフパフ・フラッフィー』に自分で描いたオリジナルのイラストやキャラクターを加えて、みごとに完成させてくれました。

3月31日 金曜日 パンゲアネットver.0完成&東京オフィス引っ越し

この日はパンゲアネットver.0の最終仕上げにかかる開発チーム、引っ越しチームと二手にわかれ、バタバタとパンゲアらしくにぎやかな一日となりました。夜は開発メンバー、ボランティアスタッフと合流して韓国料理屋で打ち上げ会。みんな、1年間お疲れさまでした!

理事長便り パンゲア理事長:森

ケニアから戻ってきたのは3月初旬。ひといきつく間もなく最終仕上げに入っていたパンゲアネットのチェックを行い、いよいよ皆様にお披露目できる日も近づいてきています。

2~3月に世界中を回って実施したアクティビティでネット上のパンゲアハウスの数も格段に増えました。今月の渋谷区での学期末イベントで、ソウル、ウィーン、ナイロビの子どもたちが追加してくれたパンゲアハウスを公開して、気に入った子にピクトンメールを送ってもらうことができました。

最初に各地の写真をスライドショーでみてもらったのですが、ケニアの子どもの写真を見て、「なんか怖そう」って言った小学生の男子。けれどその日に彼が送ったピクトンメッセージの相手はすべてケニアのある女の子でした。「ぼくは君に興味があります。君はぼくに興味がありますか?」だって!パンゲアハウスを見て、声を聞いて、彼はすっかり彼女のファンになったようでした。子供たちがいとも簡単に垣根を越えて、コミュニケーションをとろうとする様子を見て、いいぞ!パンゲアネット!と確信を持ちました。3つの海外拠点ではすでに講習を受けたファシリテータたちが、パンゲアアクティビティをはじめてくれています。いよいよ国、言語、文化の壁を越えて、子供たちがつながれる準備が整いました。

そうした中、パンゲアのスタッフたちも変化の時期を迎えています。インターン時代からオフィスを手伝ってくれていた梅ちゃんも米国ボストンのタフツ大学に合格。そしてパンゲアネットの産みの母(父?)コータローは、難産の末とてつもなく大きなパンゲアネットを出産し、5月からはIT企業に就職が決定。アクティビティマネージャーのせーじさんは、アクティビティの一連のスキームを完成させたところで元のフリーランス生活に戻ります。入れ替わりにまりちゃんが今後は活躍してくれます。3月31日の打ち上げ会では、それぞれの新たな旅立ちを祝うとともに、今年度もっとも貢献してくれたVolunteer of the Yearとしてニッシーこと西山君に花束贈呈!食べて、飲んで、笑って。。。楽しい一夜でした。

4月には、パンゲアの研究開発部門を京都の四条烏丸に移転します。NICTと京都大学社会情報学部が共同で設立する異文化コラボレーションセンターから、ユーザビリティなどの分野でパンゲアとともに研究を進めていきたいというお誘いを受け、思い切って移転することを決定しました。東京事務所もこれまで西和彦さんよりお借りしていた神田オフィスを退出し、乃木坂に移転しました。東京では杉並区や渋谷の活動がまた新学期に始まります。

渋谷の活動が始まって2年間、確かな手ごたえと人のつながりの中、生まれてきたパンゲアネットとアクティビティをこれから大切に育てていきたいと思います。応援よろしくお願いします。あ、私はちなみに東京ベースで動きます。

森 由美子

技術便り パンゲア副理事長:高崎

陽気が良くなり桜も咲いていよいよ本格的な春到来ですね。この3月は海外出張から帰国後、渋谷・杉並それぞれで年度末アクティビティやイベント、パンゲアネット開発の最終段階、神田オフィスの引っ越し、そして京都への引越し準備と、春眠暁を覚えず、などと悠長なことは言ってられない状態でバタバタと走り回っておりました。

4月から京都へ異動する私にとって、3月は東京最後の忘れられない想い出ができました。それは渋谷区の学期末アクティビティ。普段はそれぞれの学校でパンゲアアクティビティに参加してくれている小中学生が1ヶ所に集まったこのイベントは大盛況でした。渋谷の子ども達はまず、ソウル、ウィーン、ナイロビの子ども達が描いたパンゲアネット上の「家」を見ました。この「家」では、窓からその子の顔写真を見ることが出来たり、その子の母国語でかかれた家の表札をクリックすると、声で名前を聞くことが出来たりと、つながりをより育むためのたくさんの仕掛けがしてあります(詳しくはHPにある「NPO法人パンゲア説明資料」のPDFファイルをご覧ください)。 渋谷のこどもたちは、世界のみんなの家を見て、声を聞いて、めいっぱい楽しんでいました。そしてコミュニケーターを使い、絵文字のメッセージをたくさん書いてくれました。最後に参加者全員で集合写真も撮ったのですが、それは京都のオフィスで私の机に飾っておくつもりです。とても大切な宝物です。

パンゲアネットの開発は、いよいよ最後の大詰めです。残った細かい部分を作り上げながら、デバッグと呼ばれる作業をしています。デバッグというのは、システムの不具合を直していく作業のことで「ここで、こういう操作をしたら画面に表示されない!」とか「ここで表示すべきアイコンの位置が2ミリずれてる!」などという非常に根気が要る作業です。パンゲアネット・サーバーの設計・実装担当の伊藤、デザイン担当の高見沢、WEBページ化プログラミング担当の池田、コミュニケーターWEB版移植担当の上野、と皆が一丸となって寝食を忘れるほどに頑張ってくれています。

パンゲアが創るシステムには強い「願い」が込められています。イラクが終わったら次はイランか、というような殺伐とした今の地球上に生き生かされる世界のこどもたちに、互いに個人的なつながりを感じてもらい前向きな未来を創っていく、そんな願いです。

冒頭で発表させていただいた京都R&Dセンターでは言語グリッドプロジェクトとの共同開発により、より多くの国の子ども達のためにより使いやすく楽しいコンテンツを創りだしていきます。「願い」を実現するための新たに大きな一歩となるでしょう。

現在はちょうどパンゲアネット開発と平行して京都引越し作業をドタバタとしておりますので、来月のニュースレターにて、組織間の連携や言語グリッドプロジェクトの技術面も含めた詳細情報をお届けいたします。

高崎俊之

アクティビティ活動報告 アクティビティ担当:向井

3月のアクティビティは、2つの形で実施されました。

○ひとつは、公開募集でのインタラクティブ絵本づくり
 杉並アニメーションミュージアムで行われたこの実施は
 パンゲアを知らない参加者も多く不安もたくさん。

 その参加者達がみごとに絵本をつくりあげてくれた。

 3チームに分かれた参加者は、それぞれ担当ページを
 描きあげ、世界に1つの絵本をつくった。

 まったく初めて出会った人も居る中で「今」という
 時間の中で、大切な宝物ができたことに、
 そして、宝物の笑顔にありがとう。

○そしてもう1つは渋谷区での合同アクティビティ。

 理事長からの、韓国、ケニア、オーストリアの報告。
 最初はにぎやかだった渋谷のみんなも、
 遠い国の友達の様子の報告になると、じっと食い入るように
 見ている。

 そして、夢中になって、ピクトンでメールを書いていた。

 

 この日、あらたな試みをしていた。

 パスポートという道具の試み。
 表紙には自分が描いた家がデザインされ、
 世界にふたつと同じものがない「私のもの」。

 ピクトンメールを送った相手の国や名前が
 記入されて行く記録帳としての役目。

 そして、グループでのフレンズフォト(写真シール)
 をその場でつくり交換し、写真台紙に張っていく。
 もう、大騒ぎ。スタッフのシールもできあがってきて、
 交換、交換(#^.^#)。笑顔満載である。

 家に帰って見返したとき、楽しかった出来事を思い出すための
 「宝物」になってくれるといい。

○このパスポートは、今年度実施に伴い、
 さまざまな機能を付加できるように改良されていくだろう。

 ここで、パンゲアにとって大切な要素がそろった。

 「現在」のつながりを感じることができるアクティビティ
 つながり支援と「記録」の意味を持つパンゲアネット
 つながりの「記憶」を自らの手にもつことができるパスポート

 この3つの糸によって編まれる世界がこれからの
 パンゲアとなるのだろう。

 その色模様を見守ってください。

向井清二

パンゲアリング 技術現場ボランティア:西山智宏さん

はじめまして。西山智宏と申します。
アクティビティに技術スタッフとして参加させていただいています。

僕のパンゲアとの出会いは、大学の同級生である、副理事長高崎からの、アクティビティに顔を出してみないかという誘いでした。最初は、よく分からないままおそるおそるアクティビティに参加してみたのですが、気が付けばもう1年半以上、アクティビティを通じてパンゲアに関わってきました。

アクティビティでは、技術スタッフとして、主に、パソコン等の機材のセットアップ、パソコンを使うときのサポートなどを担当しています。
技術スタッフといっても、いつもパソコンと向き合っているわけではなく、ときには子供達と一緒に作品を作ったりしながら自分自身もアクティビティを楽しんでいます。

アクティビティでは、楽しそうに遊んでいる子供達を眺めながら、僕が子供の頃にもパンゲアがあって、アクティビティに子供としても参加できていたらよかったなあ、と思ったりすることもあります。

アクティビティは、子供達との出会いの場であると同時に、パンゲアスタッフとの出会いの場でもあります。普通に仕事をしていたのでは出会うことがないような様々な分野の人たちに出会うことができることも、アクティビティに参加することの楽しみでもあります。

僕が初めてアクティビティに参加したときに比べて、パンゲアははるかに大きなものになりつつありますが、今後もパンゲアの活動を少しでも支えていければと思っています。

西山智宏