2005年10月

-INDEX-

・理事長便り
・副理事長 技術便り
・アクティビティ活動報告
・おしらせ-
  その1:絵文字アンケートリニューアル!
  その2:オフィスの階数が変わりました!

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理事長便り パンゲア理事長:森
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 9月とはいっても暑い日が連日続いていました。パンゲアスタッフも、8月の韓国との同期アクティビティを終え、11月に向けて様々な準備に日々汗を流す日々です。絵文字にもピクトン(Picton)という名前が付き、11月15日に予定している記者発表に向け、パンゲアネットの開発も急ピッチで進めています。また今月は、パンゲアとしてFITという情報処理学会などが合同で行った学会で、小中学校の異文化コミュニケーションの事例報告を行いました。参加されていた研究者の方々から、パンゲアの活動にとても有意義な情報を得ることができました。例えば、こどもの時に異文化コミュニケーション体験を持つと、外国の人に対してのスキーマができ、それは異文化を大人になってから理解しようと思ったとき、とても重要であるということなど。日-米の大学間での遠隔授業の研究をなさっている教授ともお話をすることもでき、パンゲアの取り組みにも興味を持っていただくことができました。

 最近は、いろいろな研究者やエキスパートがパンゲアの事務所に来てくださっています。ピクトン開発、ユーザビリティ、アジアの国々とのリアルタイムチャットなどについて、大変役に立つアドバイスをしていただいています。先日、ふと開発メンバーが、「こんな体験ができるなんて、パンゲアほど素敵な職場はほかにない」なんて言ってくれました。労が多く、十分なお給料も払えていない状況ではありますが、そんな素直な言葉を聞けて、理事長としてはとてもハッピーです。私自身、やはりものづくりの現場が一番好きです。そして作ったものをこども達が使い、満足してくれるのを見て、初めて「よぉーし!」とまた次の作業にかかれるのです。そんな素敵なスパイラルがパンゲアの現場では生まれているのです。
 高崎とふたりではじめたパンゲア。徐々に仲間が集まり、今年度からは有給のコアスタッフが一丸となり動き始めることができました。メンバーのみんなは、突っ走るタイプの理事・副理事に苦労しながらついてきてくれています。でも、多くの時間、議論、作業、現場を共に経験し、一本の太い幹をみんなで見つめられるようになってきました。そしてここに来てみんなにとっても自分のパンゲアになっています。これからはこの太い幹をさらに多くの人に、世界で待っているパンゲアンと共に見つめながら前に進みたいと思います。

 パンゲアでは現在、「遊びと楽しみ方」「場所と人の動き方」「パンゲアネット」の3つの組み合わせによって成り立つパンゲアアクティビティのパッケージづくりをしています。その概要については11月15日に記者発表という形でみなさんに紹介させていただきたいと思っています。

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副理事長 技術便り パンゲア副理事長:高崎
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 みなさんこんにちは。この9月は厳しい残暑でしたが、パンゲアでは11月15日の記者発表、そして来年度からのコンテンツのパッケージ化に向け、コアスタッフ全員が猛スピードで走っています。

 今回は「絵文字」改め「ピクトン」についてご紹介したいと思います。
「ピクトン(Picton)」とは、言葉・文化が違う世界の人たちと「つながり」の持てるコミュニケーションをするために、パンゲアでつかう絵文字のことです。子どもたちがお互いに気持ちや感性を伝え合うことが何より大切なポイントだと考えています。そしてパンゲアではピクトンを使ってメールのようにメッセージをやりとりできるコンピュータのシステムを作っています。このシステムは、昨年11月に採択された(独)情報処理推進機構「未踏ソフトウェア創造事業(以下、未踏事業)」http://www.ipa.go.jp/jinzai/esp/index.html
の助成などを受けて開発してきました。
 そして現在、「ピクトネット(Pictnet)」と呼ばれる、多言語対応ピクトン辞書の枠組みの構築、そして「コミュニケーター」と呼ばれるピクトン・メッセージをやりとりするためのソフトウェアのプロトタイプが完成しています。システム開発の他にとても大切なのが、ピクトンの文化依存性や、ピクトンの意味の分類化、そしてピクトンを並べて作られたメッセージの言語依存性、などといった研究トピックです。これらについて、しっかり認識して把握しておくことによって、こども達がもっともっと使いやすいシステムに改善していくことができるのです。研究トピックに関してはパンゲアのメンバーに加えて、複数の大学の先生や学生さんたちの協力を得ながら、研究を続けています。研究協力者を得るために、最近では学術系のペーパーを書いたり、学会発表したりしております。例えば9月上旬には、社会情報学フェアと呼ばれる京都大学で実施された学会で、ピクトンにフォーカスした発表をし、オーディエンスの皆さんから色々と参考になるコメントをいただき、共同研究の可能性を探ったりしてきました。また来年の1月には韓国で行なわれるGlobal Wordnet Conferenceと呼ばれる国際学会での発浮Tえています。そして3月には国内大手の学会である電子情報通信学会の特集記事にも掲載される予定です。

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アクティビティ活動報告 アクティビティ担当:向井
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9月、パンゲアハウスの開発を中学校の参加者とともに実施
毎週、伊藤、高見澤の創意工夫によって、進歩を続けるまさに
開発型ワークショップとなっていきました。

自を表すハウスを絵で描くことに、
参加者もファシリテーターも夢中。

小学校での参加者もパンゲアがつくろうとしている
ネットワークシステムを想像しながら、ひとつの物語
としてしっかり理解し、取り組んでいる姿が想像以上。

遠くの人を想うこと、それは想像力以外の何物でもない
とあらためて感じています。

”お絵かきをする。”単純に見える行為に秘められている想いは、
前後関係の脈絡によって、違うものになります。

そこにある事象よりも、事象に含まれている意味の大切さを。
とても重要に感じ取ることのできた、研究の1ヶ月でした。

同じように見えて違うこと。そのに大切なことが隠れています。

向井清二

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ピクトン(絵文字)アンケートリニューアルのお知らせ
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ピクトンのデザインの有効性と文化依存性を調べるために、昨年から実施しておりました「パンゲアえもじアンケート」は、おかげさまで10カ国のべ2200名の子どもたち、大人たちに参加していただきました。ここから得た知見を、ピクトン開発チームでレビューしてピクトンを選びなおし、アンケートの出題形式をより分かりやすくリニューアルしました。そしてこれまで日本語・英語の2カ国語対応でしたが、新たに韓国語・ドイツ語の4ヶ国語対応となりました。みなさんもパンゲアのWEBサイトにアクセスして、ご家族やお友達と一緒にトライしてみてください。
ピクトンアンケートサイト:http://www.pangaean.org/iconsurvey/

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オフィスの階数が変わりました!
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内神田にありますパンゲアオフィスが、これまでの3階から4階へと引越しました。パンゲアフェローアドバイザーである西和彦さんのご好意で、これまでよりさらに広い専用スペースを利用させていただけることになりましたこと、この場を借りてお礼申し上げます。4階に移り、入り口がこれまでとは変わっております。オフィスにお立ち寄りの際は、前もってスタッフにお声をおかけください。

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詳細については、パンゲアのホームページhttp://www.pangaean.org/をご覧下さい。

このメールは、
*ホームページよりパンゲア活動協力会員にご登録いただいた方
*パンゲアアドバイザー、フェロー、ボランティアスタッフとして登録いただいた方
*またパンゲアの活動になんらかの形でご協力いただいている方で理事長・森と副理事長・高崎と名刺交換された方などにお送りしています。

配信解除・配信先変更されたい方は、以下のHPより、お願いします。
http://www.pangaean.org/common/newsletter/change.html

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 発行 :NPO法人パンゲア
     〒101-0047 東京都千代田区内神田2-14-3 TSビル4F
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