2005年9月

-INDEX-

・理事長便り
・副理事長 技術便り
・アクティビティ活動報告

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理事長便り パンゲア理事長:森
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 7月の韓国、ケニアに引き続きパンゲアの拠点づくりのため、8月初旬にはヨーロッパへ行ってきました。オーストリアのウィーンにあるZoom博物館を訪れ、新しい館長さんと、2年前からヨーロッパ拠点づくりに協力してくださっているサーシャさんにパンゲアの進捗状況をお知らせしました。Zoomはオーストリアで唯一のこども博物館。ハンズオンの展示物を常設で持ち、アーティストとコラボしながら素晴らしいワークショップを展開しています。館長さんやスタッフのみなさんからは、パンゲアをウィーンで定期的にやるならばYouth Centerが適しているだろうと、アドバイスを頂きました。早速Zoomから連絡を入れてくださり、翌日にはオーストリアのYouth Center全てを統括していらっしゃる方にアポが取れ、会いに行くことができました。そして是非パンゲアのヨーロッパの拠点をウィーンにと言っていただき、来年1月から着手するケニアの立ち上げ準備の際には、ウィーンでも、というお話になりました。(Zoom子ども博物館の情報はこちら⇒http://www.mqw.at/jp/children.htm)

 そして8月最大のパンゲアイベントは、日韓合同アクティビティ!ウィーンから東京に戻った3日後にはソウルへ飛び、まずは韓国側の初のパンゲアアクティビティを実施してきました。私はハングルがまるでわからないので、当初は言葉が全く通じない場所でうまくいくのかと少しだけ不安もありましたが、怒涛のハードスケジュールの中では不安を噛み締める間もありませんでした。ソウルではソノコン社のイベントホールをお借りし、パンゲアトランプを丸一日かけて作りました。言葉は通じずとも、指差し韓国語の本や絵文字やいろんなものを使って身振り手振りで会話しましたが、みんな一生懸命私の言いたいことを理解してくれたのがとても嬉しかったです。韓国のファシリテーターのユビンさんがしっかりその場を取り仕切ってくださり、そのおかげでとても楽しい一日を過ごすことがきました。最後はみんなに握手を求められ、来週Webカメラでまた会おうね!と言って別れました。

 そして8月21日。スタッフは初めて体験する海外との同期イベントとあり、緊張気味。一方でいつだってこどもと同じで、わくわく楽しみな状態でまるで緊張感のない私。そして韓国で見た顔がプロジェクタで映し出されると思わず大はしゃぎで手を振ってしまいました。こども達が一生懸命相手に自分の想いを伝えようとする、ネットの向こう側の相手の想いを理解しようとする様を見ていて、あーここまで来るまで長かったけれどよかったなぁ。と思わず涙が出そうになりました。双方ともとてもよい雰囲気で交流でき、最後はそれぞれ相手国の言葉でさようなら。またね。アンニョンヒ カセヨー。トマンナヨ。を大きな声で言いながら手を振り合うこども達。大きな第一歩を刻んだパンゲアの一日は、こども達にとっても楽しい夏の思い出になったと思います。準備に明け暮れたスタッフのみんな、本当にお疲れさまでした。

 次なる11月イベントに向けてまた一緒に頑張りましょう!

森 由美子


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副理事長 技術便り パンゲア副理事長:高崎
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 とっても暑かったこの8月。パンゲアでは東京都渋谷区の小中学生たちと韓国ソウル市のこども達とのインターネット交流アクティビティという最大のイベントが行われた月でした。アクティビティ内容については、森や向井からの報告にお任せするとして、私の方からはIT関連のトピックについてお知らせしたいと思います。

 8月21日(土)の日韓合同イベントは、私は韓国側の技術オペレーションのためにソウルから参加しました。日本側の技術担当リーダーの伊藤くんも私も、始めは「インターネット、ちゃんと繋がるのかなぁ?」ととても心配で、事前に日本側の会場である渋谷区鳩森小学校とソウル市の会場をつないだ技術リハーサルを何度も行ないました。実際はソウル側のインターネット環境は予想以上に高速で安定していました。渋谷区-ソウル市間でSkypeと呼ばれるIP電話を使った時も、ディレイ(通話中に相手の声が届く時間の遅れ)もほとんどなく、ストレスの無いIP電話通話ができました。因みにソウルという街はとてもIT環境が進んでいて、商業ビルやカフェ、そして空港など、色んなところで無線での高速インターネットが安定して繋がっていて、ビックリしました。

 この安定したインターネット環境のおかげで、今回の日韓アクティビティでは「こえつな」とインターネット・ビデオ会議システムを使った交流活動が技術的にも成功しました。「こえつな」は、制限時間10秒の間に、日韓それぞれの側が自分たちのマイクに向かって同時に「パンゲアァァァ~!」と声を張り上げます。画面上では対戦チームそれぞれの2枚の写真が声の大きさに反応して押し合いへしあいをしつづけます。そして大声を出し続けられたほうの写真が相手側を押しつぶして勝利!という対戦型のネットワークゲームです。これは、ネット上で初対面の子どもたちが互いに緊張を解きほぐすためのアイスブレイクと呼ばれるアクティビティとしてパンゲアが考案したものです。マイクの前で必死に声を張り上げる様子に、そばで順番を待つ子どもたちも、様子をみている大人たちも大笑い。なかなか楽しいアクティビティです。今回は、安定したネットワークが確保されたので、ゲーム中に互いの生映像がWebカメラで見ることもでき、より楽しいアクティビティとなりました。「こえつな」のソフトウェアは以前からパンゲアで開発してきているのですが、改良を随時しており、今回は特にゲーム準備の際の技術オペレーターによる設定作業を簡易化し、またネットワークと音声レベル取得のアルゴリズムを効率化しました。ITの専門知識やスキルがない人でも簡単に操作ができるものにすることを目指しています。

 ところで韓国のIT環境について、もう一つ印象的だったことが、地下鉄の中でも携帯電話がつながることです。日本でも、携帯電話が繋がる地下鉄駅のホームも増えてきましたが、移動中の車中では繋がらないことが多いと思います。でも韓国の地下鉄では、走行中でも携帯電話でフツウに話している車内の人たちを多く見ました。

 また、韓国ではネットゲーム(インターネットを使ったパソコンのゲーム)が爆発的に流行っていてビックリ。電車のプラットホームには、ネットゲームの登場人物の等身大ポスター広告があちこちに貼られていたり、ショッピングモール内では有名ネットゲーマーを囲んだイベントが開かれていたり。ネットゲームをするのは若い男性だけでなく、老若男女問わず楽しんでいるようなのです。ソウル市側のこども達との会話でも、ネットゲームの話題がスゴく頻繁に触れられていました。

 さて日韓イベントの熱い8月でしたが、私自身はIPA(独立行政法人:情報処理推進機構)未踏ソフトウェア創造事業の最終発表会や最終成果物の納品などがあり、これが私にとってもう一つの熱いイベントとなりました。これについては次号のニュースレターで紹介したいと思いますのでお楽しみに!

高崎俊之


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アクティビティ活動報告 アクティビティ担当:向井
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パンゲアトランプの始めてのセットが完成しました。

日本はスペードとハート
韓国はクローバー
ケニアはダイヤを担当。

AからKまで13枚のカードのテーマに
あわせて作ったイラストや写真は、
自然にそれぞれの日常を反映して、
色とりどりのトランプのセットを
つくりあげてくれました。

日常にあるものは、それぞれの日常であって、
他の国の人の日常ではありません。

でもでも、おんなじこともある。

そんな発見がそこここにある作品となりました。

8月21日には、韓国とリアルタイムで、
それぞれの言葉で挨拶、コエツナ(声の押し相撲)や
絵文字を使って伝わるかを試みました。

ちょっと待ち時間がたいくつだなぁ。
おやつは今日ないの?

と、つかれてしまった顔も見えたけど。

帰りの集合写真を今見ると
みんな笑顔。

いい1日だったのだぁと、振り返っています。

9月からは、研究員のこどもたちといっしょに
作品・メッセージの交換をするアプリケーションを
いかに楽しいものにしていくかの探求に入ります。

距離と時間と言葉と社会背景を越えて、
そこにいるともだちに出逢えますように。

向井清二


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