2016年09月04日

 パンゲアニュースレター9月号

こんにちは。東京オネスト村で活動している、のむのむです。先月号に引き続き、パンゲアのサマースクールKISSY2016についてお届けします。
KISS2016で、私は昨年度から昇格し、今年度はチーム・リーダーとして参加しました。言葉も違う、習慣も違う、そしてもちろん年齢も違う子どもたちと朝から晩まで一緒に生活し、一つの作品をつくる経験は、伝えることの難しさを知ると同時に、伝わったときの楽しさを子どもたちに教えてくれたと思います。私が子どもたちくらいの歳に経験した、近所の英語圏の子に覚えたての英語で「Hello」と言い、そして伝わったときのような、歯がゆくも楽しいコミュニケーションの原点がKISSYにはたくさん詰まっていました。ただの挨拶でもかけがえのない思い出となり、KISSY最終日はスタッフ含め、みんなで大号泣でした。
さて今月は、今回シンガポールから参加してくれたインターンのMingと理事長のゆみさんからKISSY2016に関する記事をもらいましたので、お届けします。
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1.KISSY感想 ―Ming―
2.KISSY2016について パンゲア理事長 森
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1. KISSY感想 ―Ming―
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オフィスインターンとして、今回シンガポールからKISSY2016に参加してくれたMingからコメントをいただきました。

■KISSY感想 ―Ming―
子どもは人生において時に最高の学び手であり、先生にもなりえます。
KISSY2016で、小さな子どもたちはそれぞれ異なる文化圏から来ていましたが、共通して彼らは私たちの世界へポジティブな変化を生み出す大きな夢を持っていました。
子どもたちは政治的・社会的な境界を知りません。そのような子どもたちの姿を見ると、言語や人種の多様性は私たちの生活において祝福されるべきことであり、言語や人種によって私たちは分かれるべきではない、ということを純粋に気づかされます。
8日間、言語や人種などの違いにも関わらず、子どもたちは同じ食事を取り、同じユースホステルで過ごし、そして同じパンゲアアクティビティに参加しました。子どもたちはKISSY2016に偶然、見知らぬ他人として来ていましたが、経験を共有することで、最後には子どもたち自身の意思で友達となり、帰っていきました。最終日、子どもたちが新しい友達と別れたくないと泣いている姿を見てとても感動しました。
KISSY2016は子どもたちにとってただのサマーキャンプ以上のものであり、私たちの未来の世代においてパンゲアが芽吹かせる世界平和の種でしょう。

彼はKISSY2016のFacebookの広報担当も務めており、KISSY2016の様子をリアルタイムで伝えてくれています。よろしければそちらもご覧ください。
NPO Pangaea Facebook https://www.facebook.com/npo.pangaea


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2. KISSY2016について パンゲア理事長 森
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連日の猛暑日が続く京都ですが、台風が関東に上陸するというニュースを聞きながらニュースレターを書いています。

パンゲアの夏のイベントKISSY(Kyoto Intercultural Summer School for Youths)も無事終わりました。昨日(8月21日)には、東京新聞の社説欄に写真入りでKISSYの取り組みをご紹介頂くことができ(※1)、子供たちが言葉や文化の違いを超えて、ともに「私たちが夢見るもの(We Dream)」というテーマで作品作りに取り組んだ様子から「思いやり」や「連帯の大切さ」を教えてもらったと論説員の方は書いてくださっていました。
発表会にはWorld Relief for Cambodia(※2)のDebbie Krisherさんやアラン・ケイさんでおなじみのViewpoint Research Institute(※3)のKim Rose事務局長もすばらしい取り組みであると感嘆され、世界に早くこれを知らせるべきと強くアドバイスされました。
言語や文化の違う人の感じていることを知りたい、その人たちに伝えたいという心があったからこそ、「げんごろう(翻訳ロボット)」などの様々なコミュニケーションツールを駆使して、子どもたちは共同制作に取り組んでいたのだと思います。その姿から見えてくるのは、多文化共生のチャレンジとその楽しさです。わからないから知らんぷり、興味がないというのは実はとってももったいないことです。違いがあるからこそ、いろんな見方があることを知り、パンゲアのルールである「ひとの嫌がることをしない」を尊重することで、言語や文化などの違いを前向きに考えることができるのです。
子供にはそれぞれ個性があります。引っ込み思案の子、積極的にみんなに話しかける子、ちょっと強がっている子、やさしい子など、性格はいろいろです。しかしKISSYでは、みんなで作るという作業において、チーム・メンバーが互いを補完し、その完成にみんなで喜びあえる環境がありました。
様々な国から来た子供たちの住む環境も多様です。みんなが親とともに住んでいるわけでもありません。その多様さがあたりまえとしてあるKISSYの中で、子供たちは互いに思いやり、助け合うことを学んでいました。また、KISSYを通して、子供たち自身が自分の普段の生活の中でぶつかっている壁(学校や部活や家庭など)を見つめることとなり、KISSYからそれぞれの国に戻った後にも、この体験はこれからの自分にも自信を与えてくれるものになったようです。

KISSYは今年三年目になりました。パンゲアはすでに13年。この夏にはインターンやスタッフが韓国やシンガポールからも参加。カンボジアを引率してくれたのは現地で技術スタッフをこれまでしてきてくれた18歳の青年でした。シンガポール国立大学からきたインターンが連日すばらしいKISSY情報をフェースブックのパンゲアのところに写真とともに掲載してくれていました。皆様おなじみのインターンじょうこう君宅にKISSY前にはホームステイしていたため、じょうこうにとっても刺激的な異文化交流となっていました。
子供たちだけでなく、関わるすべての大人にも多くの学びをもたらしてくれるこの夏。昨日オフィスでは来年のKISSYに向けての準備会議が始まりました。それと同時に、パンゲアの取り組みを世界へ知らせることをこれから全力でがんばりますので皆さまにもご協力をお願いします。

(※1) 東京新聞の社説は下記URLでもご覧いただけます。(日本語)
「週のはじめに考える 翻訳機ガ・ツ・ナ・グ・ヨ」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016082102000148.html
(※2) World Relief for Cambodia
http://www.worldrelief.org/cambodia/
(※3)Viewpoint Research Institute
http://vpri.org/html/people/founders.htm#kim

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投稿者 kyotohq | 3. ニュースレター